第9章

午後の日差しがコーヒーショップの大きな窓から差し込み、私は客のラテのためにミルクをスチームしていた。カントリークラブでのあの夜から半年が経ち、これが私たちの新しい日常だった。

「ラテ二つとチョコレートクロワッサン一つ」私はカウンターの後ろにいる由香里に声をかけた。彼女は地区統括部長という新しい役職のメール処理をラップトップでこなしながらも、午後のラッシュ時には手伝ってくれる時間を作ってくれる。

「任せて」彼女は顔も上げずに、でも微笑みを浮かべながら答えた。これが私たちの新しい日常。私がコーヒーショップを切り盛りし、彼女がリモートワークをこなす、完璧なパートナーシップだ。

恵茉は...

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